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書籍 医療費控除が上手にできる人できない人



確定申告の時期になると税理士が相談を受ける代表的な50例にQ&A方式でズバリお応えする一冊です。

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01 マッサージ代

腰のマッサージをした場合の費用は?

ランニングが趣味です。3ヵ月後にフルマラソンを控えています。軽い腰痛があるのですが、どうしても出場してみたい大会です。そこで月に2~3回ほど腰の治療を兼ねて接骨院に通うことにしました。この場合にかかる費用は、医療費控除の対象になりますか。

対象になります

基本的な考え方として、体を治療するためにマッサージや針治療を行なった場合は、医療費控除の対象になります。
ただし、マッサージを受けた理由が、健康維持などのためであれば、医療費控除の対象にはなりません。
たとえば、慢性的な肩コリをほぐすために、出張先のホテルや家族旅行で出かけた温泉地でマッサージを受けたものについては対象外になります。

支払った代金が治療のためか、そうでないのか、ここの見極めがとても大事になります。このケースでいえば、3ヵ月後のフルマラソンに備え、単に体調を整えるためだけに腰や足のマッサージなどを受けた場合には、治療とはいえません。ですから、当然医療費控除の対象になりません。
しかし、今回の接骨院への通院はあくまで腰の治療が目的で、フルマラソンは治療のきっかけに過ぎませんので、医療費控除の対象となりえます。ちなみに、マッサージ師は、あん摩マッサージ指圧師が正式な名称で、国家資格になります。接骨院の先生も柔道整復師としての国家資格を持っています。柔道整復師は、骨折、打撲、ねん挫などの治療を行うことができる資格です。このほかに、鍼灸師も鍼灸マッサージ師が、正式名で国家資格です。
このような資格を持った人たちが治療の一環として施術した場合は、医療費控除の対象となるので安心していいでしょう。

しかし、最近は国家資格を持たない人たちが開業しているケースも多いので注意が必要です。街中で見かける「足ツボマッサージ」「韓国式マッサージ」などがそれで、無資格者なので施術を受けても医療費控除の対象にはなりません。覚えておきましょう。ちなみに、医療費控除を受けるためには、接骨院で治療を受けたときの領収書が必要になりますが、診断書はなくても大丈夫です。ただし、税務署から問い合わせがあったときに、説明できるようにしておきましょう。

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04ホクロの除去手術代

美しくなりたい思いでホクロ手術を決行

鼻の横に小さなホクロがあり、昔から気になっていたので、皮膚科の先生に相談したところ「スーパーパルスレーザー治療」を勧められました。費用は手術代が9940円で、検査費用が3080円かかりました。こちらは医療費控除の対象になりますか?

対象になりません

鼻の横のホクロは大小を問わず、目につきやすいため、特に女性の場合は「なんとかしたい」と思われるようです。たしかに、コンプレックスだったホクロがなくなり、気持ちも明るくなったという方もいらっしゃるようです。
 レーザー治療は、手術時間も5分程度で、それほどむずかしい手術ではないこともあり、受ける方が増えています。
 今回のご質問は単に気になるホクロをとってもらうときの費用が、医療費控除の対象になるかどうかということですが、まず、医療費控除の対象となるのか、ならないのかを考えるにあたり、「そもそも医療費控除の対象となる医療費とは何か」という原点に戻る必要があるでしょう。
 つまり、実際にこのホクロの治療が身体の健康上必要だったのかが、論点になってくると考えられます。
 今回のケースでも、ホクロ除去手術があなたの身体のことを考えたときに、必要だったのかが求められますが、実際には、容姿を美化することや容ぼうを変えることを目的としている手術です。そのため、医療費控除の対象にはなりません。
 ただし、ホクロにもがんのもとになるものもあります。新たな病気を誘発するものであれば、治療する必然性があるため、医療費控除として認められることになります。
 たとえば、足の裏に悪性のがんだと認められたホクロがある場合のその除去にかかる費用は、あくまでも治療の一環として行われるものです。ですから、医療費控除の対象となるものと思われます。

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Q.極度の近視のためレーシック手術を決断

極度の近視のため、コンタクトレンズを8年近く使ってきましたが、目が乾き、夕方になると目が充血するように。裸眼では0.03という強度な近視のため、コンタクトなしでは不便です。そこでレーシック手術を受けました。 35万円の費用は医療費控除になりますか?

A.対象になります

レーシック手術は、医療用レーザー「エキシマレーザー」を使って視力矯正をする技術です。アメリカで生まれた技術ですが、日本でも急激に普及しています。
 手術は、角膜をきってレーザーをあてることで視力矯正をするのですが、所要時間は10分ほど。野球やサッカーなどのスポーツ選手がこの手術を行なっていることもあり、とてもメジャーになってきています。
 さて、私どもに医療費控除のことで相談される方が心配されるのが、「費用が高額なのですが、税務署から問題視されませんか」ということでしょう。心配することはありません。この手術は医学的な方法により目の機能を正常な状態に回復させるものであり、医師が治療のために手術を行なったものと認められるからです。
 ただし、もし、手術にかかる費用の相場が7万円程度なのに、手術した病院だけが、35万円であれば、税務署からその理由を尋ねられるかもしれません。
 しかし、最近はレーシック手術のCMが流れたり、手術を受けている人も増えてきているため、比較的高額な費用を要する手術ですが、視力を回復できるという事実が一般に認知されてきています。そういう意味で、「一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする」という規定に、抵触しないと思われます。
 なお、生命保険などの保険に入っている方は、レーシック手術を受けたことにより、保険会社から保険金が支給されることがあります。この場合は医療費の集計を行う際に注意が必要です。
 レーシック手術を受けて病院に35万円を支払った場合に、保険会社から保険金として5万円の支給を受けた場
合を想定します。
 この保険金として支給を受けた5万円は「医療費を補てんする保険金など」に当たるため医療費控除の対象額
を計算するときに控除しなければなりません。すなわち、35万円から5万円をマイナスした30万円が医療費控除の
対象となりますので、注意してください。

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Q.骨折で入院中、売店でパンやおにぎりを購入

骨折して、3週間入院しました。病院から出された食事の代金は医療費控除の対象になると聞いたのですが、本当でしょうか。病院食が控除対象になるのであれば、病院内の売店で購入したパンやおにぎり代なども認められると思い、領収書は大切にとってありますが、こちらはいかがでしょうか。?

A.病院食以外は対象になりません。

入院を経験したことがある方はおわかりのように、入院費用には治療に直接要した費用だけでなく、食事代なども含まれます。通常、病院からこれを分けて請求されることはないでしょう。この場合の食事代は入院費用の一部であり、入院のための対価として支払われるものですから、医療費控除の対象となります。入院するということは、当然その間に食事を摂る必要がありますから、「その食事代についても治療などをするために必要な費用として、医療費に合まれるものとし
て考えていいですよ」ということです。
 ただし、病院の近くの定食屋から出前をとったり、外食をした場合の食事代や、売店でパンやおにぎり、お菓子などを買った場合の購入代金は、医療費控除の対象とはなりません。これらの費用は病院が治療のために必要だと認めた費用ではなく、入院の対価にはあたらないためです。
 あくまでも、病院側から食事を給付され、入院の対価として支払った場合に限り、食事代についても医療費控
除が認められるわけです。
 それでは、入院患者に付添う家族の食事代についてはどうでしょうか。
 これは、医療費控除の対象とはなりません。これも同様の理由により、付添う家族の食事代は入院患者の治療
などのために直接必要な費用とは認められないことから、医療費には合まれないと考えられています。

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Q.病院からシーツのクリーニング代を請求された

足の機能障害を回復させるために、1ヵ月ほどリハビ
リテーションができる病院に入院しました。後日、病院
からシーツと枕カバーのクリーニング代金を請求されま
した。こちらが「シーツを替えてください」と希望した
ものでなく、病院の都合で行なったものです。そう考え
れば、医療費控除の対象になるように思われますが、こ
の解釈でいいですか。

A.対象になります。

 クリーニングはその内容によって、取り扱いが変わってきます。医療費控除の対象になるものは病院が用意したシーツや枕カバーなどをクリーングした場合です。
 病院が用意したもののクリーニング代は、入院の対価として認められますが、同じクリーニングでもご自身が着用したパジャマなどは入院の対価とはならないため、医療費控除の対象にはなりません。
 一般的に入院中にかかった費用は全部医療費になるものと考えがちですが、医療費控除の対象となるのは、治療費、部屋代、食事代などの入院費、そのほか治療上の必要から医師の指示によって購入する松葉杖などの器具です。
 入院に際して、下着やパジャマその他の身の回り品を購入することがありますが、この対価は治療とは直接関係する費用ではないので、その購入代金は医療費控除とはなりません。
 そのほか、入院中には病室に備え付けのテレビの賃借料を支払うことがあります。このテレビの賃借料は入院しているからこそかかる費用ですが、単に入院生活を快適に過ごすためのもので治療とはかかわりのないものです。
 そのためこのような費用は、医療費控除の対象にはなりません。また、入院が長期におよぶ場合には病院内の理髪店などで散髪をすることがあるかもしれません。
 この場合の散髪代もテレビの賃借料が対象にならないのと同様に、入院生活を快適に過ごすためのものと考えられることから、医療費控除の対象にはなりません。

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Q.医師の診察を受けて老眼舗を購入

40代になっても両眼とも視力が1.5なのが自慢だった
のですが、50歳になったころからでしょうか。新聞の文
字がチカチカして見えにくくなってきました。先日、眼
科で診療してもらったところ、「老眼です。メガネをか
けましょう」と先生からいわれました。大事に使うつも
りなので、12万円ほどのメガネを購入しましたが、医療
費控除の対象になりますか?

A.対象になりません。

メガネの購入費用は原則的に医療費控除の対象にはな
りません。しかし、白内障などの手術後に視力の機能を
回復させるために医師の指示により2ヵ月ほどメガネを
かけることがあります。
 この場合のメガネの購入費用は医療費控除の対象とな
ります。そのほか、発育途中の子どもの未発達の視力を
向上させるために目の屈折にあったメガネを医師の指示
のもとにかけるのであれば、対象になります。ただ、医学の専門家でない人にとっては、対象になる
のかならないのかを判断するのはむずかしいですね。そ
のため厚生労働省では医師会に対して、「医療費控除の
対象となるものは、こういった疾病・症状に限られます」
などの指導を行なっています。
 この対象となる疾病は白内障のほか、緑内障や一定度
以上の斜視や弱視、視神経炎や角膜炎などの難治性疾患
に限られています。
 私ごとで申しわけないのですが、最近目がちかちかして
見えにくいので眼科に行きました。ご相談と同様、医師か
ら「老眼です」といわれました。今年初めて、医師の診断
のもとに老眼鏡を買ったわけですが、治療の一環ではない
ために、医療費控除の対象にはなりませんでした。
 目が裸眼の状態で見えない。でも、医師に診断しても
らって、メガネをつけることで見えるようになる。そう
考えれば治療の一環といえなくもないと思いますが、近
視、老眼、乱視はもともと病気ではなく、身体機能の低
下と判断されるからでしょう。
 また、メガネには、ファッション(おしゃれ)でかける
要素もあり、すべてのメガネの購入費用を医療費控除の対
象にするというのには、無理があるとも考えられます。
 なお、メガネと同様に視力の低下を補うために装着す
るコンタクトレンズの購入費用も医師の診断を受けたと
しても医療費控除の対象にはなりませんので、ご留意く
ださい。

眼の治療を必要とする疾病

疾病名 治療を必要とする症状 治療方法
弱視 矯正視力が0.3未満の視機能の未発
達なもの。
20歳以下で末発達の視力を向上させるた
め、目の屈折にあった眼鏡を装用させる.。
斜視 顕性斜視、潜伏斜視、斜位があり、
両眼合わせて2プリズムディオプト
リー以上のブリズムが必要。
眼位矯正又は術後の機能回復のため、眼眼鏡を装用させる。
白内障 水晶体が白濁して視力が低下し、放置すれば失明するため手術を必要とする。 術後の創口の保護と創口が治癒するまで
の視機能回復のため、2か月程度眼鏡を
装用させる.水晶体摘出後、水晶体の代
わりにIOL(人工レンズ)を挿入する。
緑内障 原因不明又は外傷により眼圧(目の
かたさ)が高くなる病気で、放置する
と失明するので手術を必要とする。
術後、機能回復のため、1か月程度眼鏡を装用させる。
難治性疾患
調節異常 調節力2ディオプトリー以下で調節
痙攣、調節衰弱などによる自律神経
失調症がある異常。
30歳以下の者に対して薬物療法(ビタミ
ンB1を中心とした治療)のほかに、6
か月程度治療のため、眼鏡を装用させる。
不等像性
眼精疲労
左右眼の眼底像の差による自律神経
失調症がある異常。
薬物療法(精神神経用剤及びビタミンB1と合わせて、光学的に眼底の不等像
を消すため、眼撥を装用させる。
変性近視 眼底に変性像があって、10ディオプトリー以上の近視である。 薬物療法(血管強化剤)と合わせて、網膜剥離、網膜出血等による失明防止のため、眼鏡を装用させる。
網膜色素変性症 視野狭窄・夜盲症と眼底に色素斑がある病気で進行すると失明する。 薬物療法(血管拡張剤)を行うが、光刺
激により症状が進行するので、その防止
のため、眼鏡を装用させる。
視神経炎 視神経乳頭又は球後視神経に炎症が
あり、まぶしさを訴える病気で、進行すると失明する。
薬物療法(消炎剤.ビタミンB1と合
わせて、光刺激による症状の悪化を防止
するため、2か月程度眼鏡を装用させる。
網脈絡膜炎 眼底の網脈絡膜に炎症があって放置
すれば失明する。
薬物療法(消炎剤)に合わせて、光刺激
による症状の悪化を防止するため、1か
月程度眼鏡を装用させる。
角膜炎 角膜乾燥症、水泡性角膜炎、びまん
性表層角膜炎、角膜潰瘍などにより、放置すると角膜(黒目}が白く濁り、視力低下又は失明する。
薬物療法(抗生物質、副腎皮質ホルモン、
ビタミンB2に合わせて、角膜の表面
を保護し、治癒を促進するため、1か月
程度眼眼を装用させる。
角膜外傷 角膜破裂、角膜切割、角膜火(薬)
傷がある.
手術、薬物療法(抗生物質)と合わせて、
角膜の創面を保護し治癒を促進するた
め、1か月程度眼鏡を装用させる。
虹彩炎 虹彩(茶目)に極度の炎症があって
放置すると失明する。
薬物療法(副腎皮質ホルモン)に合わせ
て、虹彩を安静にするためアトロピン等
の散瞳剤を使用すると共に、眼保護のた
め、1か月程度眼鏡を装用させる。

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Q.眼内レンズを入れる白内障の手術を受けた

半年前に白内障の手術を受けました。眼内レンズを入 れる手術だったので心配だったのですが、所要時間は10 分ほど。思ったよりもあっという間に終わりました。い まは視力も回復して快適に生活しております。ところで、 そろそろ確定申告の準備を始めようと思っているのです が、眼内レンズの費用は医療費控除の対象になりますか?

A.対象になります。

白内障の治療のために手術を受け、眼内レンズを入れ た場合には、その費用は医療費控除の対象となります。 白内障は視力が低下し、放置した場合には失明にいたる こともある病気であり、手術で人工のレンズを入れるこ とが、その治療のために直接必要であると認められるた めです。 この場合の眼内レンズの代金は、病院に支払ったもの だけでなく、眼内レンズ業者に直接払ったものであって も、対象となります。また、眼内レンズに限らず、白内障の治療のためにメ ガネを購入した場合は、このメガネの購入代金について も医療費控除の対象となります。 ただし、どんなメガネであっても医療費控除の対象と なるわけではありません。一般的な近視の矯正のためな どのメガネではなく、その病気の治療のために特別に必 要であることが医師により証明されているものに限られ ます。 確定申告により医療費控除を受けようとする際には、 メガネの購入にかかる領収書だけでなく、これらの病名 および治療を必要とする症状が明確に記載された処方箋 の写しを添付することが必要となります。 ポイントは「医師の治療を受けるために直接必要なも のであるかどうか」です。これはメガネに限ったことで なく、松葉づえや車イスなど、そのほかの医療用器具に ついてもいえます。 これらが医師の治療を受けるために直接、必要である ことが証明されれば、医療費控除の対象とすることがで きます。

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Q.難聴のため補聴器を購入した

私は今月、70歳になりました。孫の声が聞き取りにく
くなったと感じていたところ、近所にあるメガネ販売店
で補聴器が売られていたため、試しに購入してみました。
補聴器の購入費用を医療費控除の対象に含めてもいいで
しょうか?

A.対象になりません。

最近、メガネ販売店のなかでは補聴器も一緒に売って
いるお店があります。値段も手ごろなものが多いためか
結構、売れているようです。
 ご質問のケースのように、ご自身の判断で購入された
補聴器についての購入費用は、医療費控除の対象にはな
りません。
 では、耳鼻科で難聴と診断され、医師の勧めにより購
入した補聴器の購入費用は、医療費控除の対象となるの
でしょうか?
 この場合についても、原則として対象にはなりません。これもメガネやコンタクトレンズと同様に、診察や治
療の一環で購入するものではなく、日常生活で使用する
ものと考えられるからです。
 ただ、次のような場合であれば、医療費控除の対象に
なると考えられます。
 難聴のため医師の説明が聞き取れなかったり、聞き取
りづらかったりするため、補聴器を購入したという場合
です。
 この場合は医師などによる診療などを受けるために直
接、必要な費用と考えられます。あるいは、重度の難聴
や生まれつきの耳の病気であって、治療の一環として補
聴器をつける必要があると、医師が判断して購入した場
合も、対象になると考えられます。
 この場合についても、医師などによる診療などを受け
るために必要な費用と考えられるためです。
 補聴器を医療費控除の対象に含めて確定申告を行う場
合には、その補聴器が医師などによる診療などを受ける
ために直接必要であるときちんと説明できなければなり
ませんので、ご留意ください。

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Q.交通事故で車椅子が必要に

交通事故で大腿骨頚部損傷しました。ずいぶん回復したのですが、自分の足で歩くのがまだ辛いので、車椅子を病院から借りています。通院するときに使っているのですが、レンタル料金は医療費控除の対象とみなされますか?

A.対象になります。

ご質問された車椅子は医療費控除の対象となります。
車椅子が医師による治療をうけるための通院に必要なも
のだからです。
 車椅子だけでなく器具の購入費用などで医療費控除の
対象となるものは、医師などによる診療などを受けるた
めに直接必要なものであることです。
 したがって、同じ車椅子の購入費用であっても、日常
生活の最低限の用をたすための車椅子の購入費用につい
ては、医療費控除の対象にはなりません。
 医師などによる診療などを受けるために直接必要なものではないからです。
 身体に障害をもっている方で日常生活が不自由なため
に車椅子を購入された場合、その購入費用などは残念な
がら医療費控除の対象にはなりません。
 あくまで、医師などによる診療に直接必要なものかど
うかで判断します。
 具体的な例として、不慮の事故などで足をケガしたと
します。生活するために必要なものとして車椅子を購入
する場合、その購入費用などは医療費控除の対象にはな
りません。
 しかし、足の治療のための通院に必要なものとして車
椅子を購入する場合には、その購入費用は医療費控除の
対象となります。
 また、交通事故により足を骨折したために購入した松
葉杖の購入費用などについても、車椅子の場合と同様に、
医療費控除の対象になる、ならないの判断を行います。
 松葉杖を医師の治療を受けるため、通院に必要なもの
として購入した場合、その購入費用などは、医療費控除
の対象となります。
 しかし、交通事故による後遺症で足が不自由になった
ために松葉杖を購入した場合には、その購入費用などは、
医療費控除の対象となりません。

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Q.妻の出産に対して「出産一時金」が支給された

 4月に妻が出産したのですが、医療費控除の申告をし
ようと思っています。健康保険組合から支給された出産
育児一時金の扱いがわかりません。出産にかかった費用
のうち、出産育児一時金で補てんされた分は、医療費控
除の対象から差し引かなければならないのですか。ちな
みに妻は専業主婦です。

A.差し引かなければなりません

いわゆる健康保険組合から受ける出産育児一時金の取
り扱いについての質問ですね。女性が出産のために産休
をとったうえで出産をすると、その方が加入している健
康保険組合から出産一時金が支給されます。医療費控除額を計算する場合、医療費の金額の補てん
に充てられる保険金や損害賠償金などがあるときは、支
払った医療費の金額からその補てんされる保険金などの
金額を差し引くこととされています。ご質問の健康保険組合から支給された出産育児一時金
は、医療費の金額の補てんに充てられる保険金等に該当
しますので、支払った医療費の額から差し引かなければ
ならないことになります。また、健康保険組合の出産育児一時金のほか、支払っ
た医療費の金額から差し引くべき保険金等の金額には、
次のようなものがあります。

●社会保険または共済に関する法律等に基づいて支給される給付金で、健康保険法の規定により支給を受ける療養費、出産育児一時金、家族出産育児一時金、高額療養費、家族療養費など医療費の支出の事由を給付原因に支給を受けるもの

●生命保険契約などで支給される入院給付金や医療保険金などで医療費の補てんを目的として支払いを受けるもの

●医療費の補てんを目的として支払いを受ける損害賠償金

●法令の規定に基づかない任意の互助組織からの給付金
で医療費の補てんを目的として支払いを受けるもの
 また、医療費を補てんする保険金等の額が、医療費を支払った年分の確定申告書を提出するときまでに確定しない場合があります。この場合には、保険金等の見込額に基づいて計算します。
なお、後日に補てんされる保険金等の確定した額と見
込額とが異なることとなったときは、その医療費控除額
を訂正した申告をし直すこととなります。